第1号報告書

活動要請内容へ


2016年9月に提出した活動報告書第1号の内容です。


◆報告書1号要約
1.活動先地域及び配属先の概要
(1)活動地域概要、抱える問題
 ・世界遺産「イチャン・カラ」を中核とするウズベキスタン有数のリゾート地
 ・入場者数は3年連続減少、リピーター客確保とマーケティング戦略再構築が急務
(2)配属先の事業内容、組織体制
 ・観光開発援助要請・受入とコーディネート、インフォメーションセンター運営
(3)配属先の援助受け入れ実績
 ・JOCVの要請は2代目だが、過去の活動実績があり私は実質4代目にあたる
 ・過去複数回GIZの支援実施、KOICAの活動実績もあり
2.ボランティアが所属する部局の概要
(1)ボランティアが所属する部局の事業内容及び課題:実質私の活動の為の組織
(2)同僚の人数及び技術レベル:実質的に所長直下で部下・同僚・上司なし
3.配属先のニーズ
(1)ボランティアに期待している内容:
・観光業の改善に関する助言・提言・日本市場の開拓
・JOCVのコーディネートによるJICA等からの金銭・物的支援も大いに期待
(2)当初要請時のニーズからの変更点:
・主要要請内容はGIZと前任者がほぼ任務を果たし、今後その周知・広報が中心
・マラソン大会実施に所長は意欲的だが、実施にはハードルが高く今後苦労しそう
4.活動計画準備状況:4大任務が明確化、インターネット不具合が活動の足かせに
1)日々の日本に向けての情報発信 2)マラソン大会実施に向けての調査
3)観光業従事者への日本語教育プロジェクト 4)情報の整備
・私自身の語学能力向上が任務遂行上の課題である。
5.受入国の印象:開放的でかつ働き者の皆様にいい意味で期待を裏切られる
・自身の食あたり2度、また観光客から帰国後発病を伺い衛生対策も必要と実感

◆1.活動地域及び配属先の概要
(1)活動地域概要、抱える問題
 ホラズム州はウズベキスタン西部アムダリョ左岸に位置する農業地帯である。その中でも私の任地であるヒヴァ市はユネスコ世界遺産に登録された、「イチャン・カラ」を中核とするウズベキスタン有数のリゾート地となっている。しかし、見どころであるイチャン・カラの入場者数は2012年をピークに3年連続で減少し、リピーター客の確保とマーケティング戦略の再構築が急務である。
(2)配属先の事業内容、組織体制
 組織体制はNGOとなっている。しかしその経営実態は理解できるものではない。配属先の事業内容は主に観光開発(援助要請とコーディネート)と観光従事者への教育・インフォメーションセンターの運営である。実質的な活動資金源は付属旅行会社(BekTour)とホラズムアートレストランの収益である。
(3)配属先の援助受け入れ実績
 半年間のブランクを経て2代目の要請であったが、2003年から2007年まで断続的にJOCVが2代にわたり活動しているため、私は実質4代目に当たる。GIZ(ドイツ)の援助プロジェクトが今年8月末に終了、またKOICA(韓国)からの援助も過去に受けている。

◆2.ボランティアが所属する部局の概要
(1)ボランティアが所属する部局の事業内容及び課題
 観光開発と観光従事者への教育、ツーリズムインフォメーションセンターの運営がこれまでの主な事業内容であったようだ。現在NGO本部専属の地元スタッフはアシスタント1名しかおらず、海外ボランティアの受け入れ機関となっている。現在はGIZ専門家が期間満了で引き上げ、NGO本体は実質私が活動するための機関となっている。関連機関として旅行会社とホラズムアートレストランがある。しかし、教育部門においては担当者不在で実質活動停止中と感じる。
(2)同僚の人数及び技術レベル
 所内 6名:所長・通訳兼アシスタント1名・NGO兼付帯事業の経理2名、付帯旅行会社3名(社長・ドライバー・スタッフ)
 所外10名:インフォメーションセンター3名・ホラズムアートレストラン7名
 所長は過去にJICAの観光業研修を日本で受講しており、観光業に関する非常に広い見識を持つとともに非常に精力的であり、建国25周年記念の叙勲を受けている。他国での事例を私に質問することが非常に多い。
 技術移転の目的よりも日本人としてのマンパワーとして、任務を行うことになりそうである。

◆3.配属先のニーズ
(1)ボランティアに期待している内容
 ホレズム州における観光業の持続的な発展に向けて、自身の得意分野を活かしウズベク人では気付かないこと・できないことに関する助言・提言を求められている。基本的にはJOCVがJICA等から獲得した資金で自由に活動し、結果的に観光業の発展に貢献してもらえれば良いというスタイルである。また、JOCVのコーディネートによる日本政府のODA及びJICAからの金銭・物的支援も大いに期待していることがうかがえる。
(2)当初要請時のニーズからの変更点
 主な要請内容であった「イチャン・カラ以外のホレズム州における観光地および観光ルートの開発と提言」はGIZ及び前任者がほぼ任務を果たしていることと、移動に多額の活動資金面が必要となることから早期に断念。私の活動資金は基本的にない点を早期に伝えた結果、これらの活動成果をもとに、日本市場に向けてのマーケティングをなるべくお金をかけずに行っていくことで所長と合意している。また、国際マラソン大会の実施に所長は意欲的だが、ウズベキスタンにおけるマラソン大会の実施には非常に多くのハードルがあり、今後苦労させられそうである。

◆4.活動計画準備状況
 8月中はGIZの通訳さんが残務整理でおり、彼女の支援を得て全面的に英語で活動を行い、イチャン・カラ内の施設の巡回を行うとともに、前任者からの資料を引き継ぎやるべきことを洗い出すとともに、今後の活動計画を立て所長の了承を取付けた。
 9月に入り、前任者が開設していたFaceBookページ「ヒヴァ・ホレズム観光情報発信局」を復活させることとなったものの、職場のインターネット環境が日に日に悪化していく中で、満足な投稿や日本の支援者への情報発信ができないままでいる。
 日々の日本に向けての情報発信・マラソン大会実施に向けての調査・観光業従事者への日本語教育プロジェクト・各種インフォメーションの整備が4大任務となり、日々朝9時から夜8時近くまで停電がない限りデスクワークを中心に活動を行っている。日本語教育プロジェクトは在タシュケント日本語教育隊員の支援を得られる見込み。また、空港とウルゲンチ駅の撮影許可もいただき、インフォメーション面での問題点を調査している。しかし私自身は、ウズベク語・ロシア語ともにままならない状態であり今後活動の本格化に向けて、語学能力の向上が課題である。

◆5.受入国の印象
 ウズベクキスタン隊員というよりも、「ソビエト連邦」に派遣された隊員という感覚でいる。開発途上国と言っても旧先進国(?)のソビエト連邦内、インフラの劣化や老朽化に伴う生活の不便さは若干あるものの、ここが開発途上国だとはあまり感じないことが多い。また、治安管理が行き届いている平和な環境は、自身の予想をいい意味で大きく裏切るものだった。今後、自分からの技術移転というよりも、この国に多くの方が来てくれるようにするためにこの国を知ってもらう活動に力を注いでいきたい。
 観光シーズン中のためかヒヴァで関わる方はみなオープンマインドであり、かつ働き者である。毎日特に不自由なく楽しく健康的に暮らす彼らを見ると、むしろ私の私は彼らから元気をもらっているように感じる。「彼らにとって私ができることはあるのだろうか?特に何もしなくてもいいのではないか?」と感じてしまうこともごくまれにある。
 しかし、見た目の清潔感とは裏腹に、実質的な衛生環境はあまり良くないと考える。タシュケント・ウルゲンチでそれぞれ一度づつ食あたりを経験するとともに、旅行客からも帰国後病気になった報告を2度ほど伺い対策が急務となっている。

◆JICAへの要望・提案
①言語に関して
 基本的にラテン文字のウズベク語の環境。先輩隊員が作成したWebサイトで、ラテン→キリルの変換は可能なので、駒ヶ根であれほど苦戦したキリル文字のウズベク語は本当に必要だったのか?と考える。むしろ、外国語=ロシア語の環境で生活する上では、駒ケ根からウズ語:ロシア語=2:1ぐらいで訓練を行った方がいいのではと考える。現在は全く話せないまま、ほとんど英語で活動していますが・・・。
②JICA事務所からの連絡や対応に関して
 ギリギリの連絡や返信漏れ等、社会人として対応に疑問に感じる点が多くあります。今後の改善を期待します。
③今後の支援依頼
 ・観光業従事者への日本語教育プロジェクトへの人材・資金援助をお願いします。
 ・JICAで何かを機材を買ってほしい依頼をかなりの勢いでシャットアウトしています(素人の私にとってもどう考えてもJICAに支援依頼するには疑問が生じるもの)が、NGOには私の活動資材(コピー用紙・ファイル)等すら購入資金がありません。所長はJICAや日本政府がお金を出してくれるなら、私が何をしてもいいし必要な許認可をあらゆるつてを駆使して確保するスタンスです。


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